起業・開業するときは、時間的にも金銭的にも余裕がなくなり大変に感じることがあります。しかし、補助金や助成金を受け取れば、事業に専念する余裕も生まれます。
茨木市では、起業・開業を考える方を応援するための補助金や助成金を数多く準備しています。
今回は、以下について詳しく解説しております。
- 茨木市で起業・開業するときの補助金や助成金
- 金銭的支援を受けるメリットやデメリット
- 補助金と助成金の違い
- 審査通過するためのポイント
【茨木市で開業】補助金や助成金の違いをチェック!(給付金もチェック)
補助金や助成金は「公的な資金のサポート」だと理解している人は多いですが、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
また、補助金や助成金は「似て非なるもの」で、異なる点も多いです。ここでは、起業・開業に適した選択するためにも、補助金と助成金の違いを理解しておきましょう。
◇補助金・助成金の違い
補助金 | 助成金 | |
支給機関 | 主に
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主に
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支給目的 |
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金額規模 | 数百万円~数千万円 それ以上の可能性もある |
数十万円~ |
受給方法 | 後払い | 後払い |
返済について | なし | なし |
申請について |
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支給について |
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◇給付金ってなに?
補助金や助成金の他にも「給付金」って聞いたことがありますよね。その違いを簡単に知っておきましょう。
- 給付金受給には受給要件を満たした申請者全員に一定額が給付される
- 申請が不要の場合も多い
- 補助金や助成金は、受給に向けて何かに取り組む必要がある
【茨木市で開業】補助金と助成金を紹介
茨木市で開業するときに活用できる「補助金と助成金」を紹介します。
◇茨木市で開業:補助金と助成金
資金名 | 財源機関 |
創業促進事業補助 | 茨木市(創業支援) |
創業支援利子補給制度 | 茨木市(創業支援) |
小売店舗改築(改装)助成事業 | 茨木市(創業支援) |
信用保証料補助制度 | 大阪府(茨木市) |
IT導入補助金 | 経済産業省 |
ものづくり補助金 | 経済産業省 |
詳しく解説します。
創業促進事業補助
創業促進事業補助は「茨木市の創業支援」によるもので、商工業の振興と地域経済の活性化を図るため、以下の3通りの方々へ補助金の交付となります。
◇補助金:対象者
- 市内で創業しようとする方
- 創業した事業を拡大する方
- 市内で法人を設立しようとする方
◇補助金に充てることができる費用
- 改築・改装工事費
- テナントの賃借料
- 法人設立に要する経費
◇創業促進事業補助の概要
◆市内で創業しようとする方・創業した事業を拡大する方:改装工事費・賃借料
改装工事費 | テナントの賃借料 | |
補助金の内容 | 工事費の2分の1の金額を補助(消費税は対象外) | 賃借料の2分の1の金額を補助(共益費と消費税は対象外) |
上限額 | 上限は50万円 | 上限は月額5万円 事業開始から6か月分を補助 |
備考 |
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その事業を営むために初めて取得または賃借する物件(常設かつ事業専用)が対象です(移転や2店舗目は対象外)。
◆市内で法人を設立しようとする方:法人設立費用
登録免許税 | 定款認証手数料 | 司法書士等への報酬 | |
補助金の内容 | 登記にかかる登録免許税の2分の1 | 定款認証に係る公証人手数料の2分の1 | 法人設立手続きに係る司法書士等への報酬の2分の1 (消費税は対象外) |
上限額 | 上限は17万5千円 | 上限は2万5千円 | 上限は5万円 |
備考 | 国による登録免許税の軽減を受けた場合は、軽減前の税額の2分の1が補助額となります。 | 合同会社の場合は定款認証不要 | 依頼先の資格(司法書士、行政書士等)及び依頼内容の分かる領収書が必要です。 |
参考:茨木市HP
対象者や注意事項、申請の流れなどは非常に細かく分かれているために、詳しく知りたい方は以下記事もあわせてご覧ください。
◇問い合わせ
茨木市 産業環境部 商工労政課
TEL:072-620-1620
FAX:072-627-0289
創業支援利子補給制度
創業支援利子補給制度は「茨木市の創業支援>特定創業支援事業」より、市の証明書の交付を受けた創業者が、対象となる融資を利用した場合に支払い済みの利子に対して補給を行います。
◇補助金:対象者
次のすべてに該当する方
- 特定創業支援事業(※)に係る市の証明を受けた方
- 令和4年3月31日までに利子補給対象融資の実行を受けた方
- 創業して5年を経過するまでに利子補給対象融資の実行を受けた方
- 借入金を市内の事業所の運転資金または設備資金にあてる方
- 市税を滞納していない方
特定創業支援事業については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
◇対象となる利子
特定創業支援事業に係る市の証明の交付を受けた後、令和4年3月31日までに実行された次の融資制度
- 大阪府の開業サポート資金(600万円超)
- 日本政策金融公庫の各融資制度
- 北おおさか信用金庫独自の融資制度(プロパー融資)
◇創業支援利子補給制度の概要
交付対象期間 |
証明書の発行日以降、最初の補給対象融資の実行日から3年
※ただし、概ね毎月1回返済日が到来する場合は36回目の返済日まで、市外へ移転した場合は移転した日の前日までを交付対象期間とします。 |
利子補給金額 | 支払った利子のうち1%相当分 |
補助限度額 | 各年度10万円、合計30万円(1つの融資あたり)
※補助期間が4年度にわたる場合であっても、補助額の上限は1つの融資につき、合計30万円 |
申請期間 | 毎年1月~12月の返済実績に基づき、翌年1月に申請 |
お問い合わせ | 茨木市 産業環境部 商工労政課 TEL:072-620-1620 FAX:072-627-0289 E-mail syokorosei@city.ibaraki.lg.jp |
参考:茨木市HP
申請時期や申請の流れや注意事項などについて、さらに詳しく知りたい方は以下記事もあわせてご覧ください。
小売店舗改築(改装)助成事業「チャレンジ応援事業」
小売店舗改築(改装)助成事業も「茨木市の創業支援」によるもので、以下の2つの事業に対し経費の一部を補助しています。
- リニューアル活性化事業・・・既存店のリニューアル工事
- チャレンジ応援事業・・・中心市街地または商店街において、小売業などの新店出店(2号店オープン)、新規分野進出(今の事業を継続しながら新しい業種や業態で事業拡大)、業種・業態転換(今の事業を新たな業種・業態に変更)のために行う改築工事
今回は茨木市での起業チャレンジへの補助金や助成金の紹介を中心とした記事のために、②の「チャレンジ応援事業」について、解説します。
◇「チャレンジ応援事業」補助金:対象者
- 小売業などの新店出店(2号店オープン)する方
- 新規分野進出(今の事業を継続しながら新しい業種や業態で事業拡大)する方
- 業種・業態転換(今の事業を新たな業種・業態に変更)しようとする方
- 前回交付決定を受けた日の属する年度の翌年度の4月1日から起算して、10年が経過した場合には、同一の事業について再度交付申請することが可能
- 以下の例のとおり、対象事業を変更して交付申請する場合は、10年の経過を要さない(例)リニューアル活性化事業→チャレンジ応援事業、またはチャレンジ応援事業→リニューアル活性化事業
すでに着工した工事は補助の対象になりません。一定の要件がありますので、補助を希望する方は必ず事前にご相談ください。
◇「チャレンジ応援事業」補助金の概要
改装工事費 | |
補助金の内容 | 工事費の2分の1の金額を補助(消費税は対象外) |
上限額 | 上限は50万円 |
備考 |
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参考:茨木市HP
小売店舗改築(改装)助成事業について、詳しく知りたい方は以下記事もあわせてご覧ください。店舗の改築(改装)工事をされる方に補助金を交付する「リニューアル活性化事業」についても紹介しています。
◇問い合わせ
茨木市 産業環境部 商工労政課
TEL:072-620-1620
FAX:072-627-0289
信用保証料補助制度
信用保証料補助制度は、茨木市中小企業振興資金及び大阪府中小企業融資制度で、600万円以下の融資を受けた方を対象に、保証協会に納付した信用保証料を補助する制度です。
◇補助金:対象者
下記の融資制度を利用した方のうち、茨木市内の事業所に係る事業資金として600万円以下の融資を受けた方
【茨木市】
- 茨木市中小企業振興資金
- 茨木市中小企業設備投資応援資金
- 茨木市中小企業設備投資応援資金(新規追加)
- 新型コロナウイルス感染症伴走支援型資金(新規追加)
【大阪府】
- 開業サポート資金(開業資金)
- 開業サポート資金(地域支援ネットワーク型)
- 小規模企業サポート資金(小規模資金)
- 小規模企業サポート資金(地域支援ネットワーク型)
- 経営安定サポート資金(経営安定資金)
- 新型コロナウイルス感染症対応緊急資金
- 新型コロナウイルス感染症対応資金
- 新型コロナウイルス感染症伴走支援型資金
- 本補助は、原則、各年度に1回限り
- 災害や新型コロナウイルス感染症に係る融資については、2回目以降でも補助対象となる場合あり
- 市外事業所の運転・設備資金(市外への出店資金、市外店舗の改装資金、市外での営業資金など)や既保証分に係る保証料は補助対象外
◇信用保証料補助制度の概要
補助金額 |
【茨木市中小企業振興資金】
支払った保証料全額 【茨木市中小企業設備投資応援資金、大阪府中小企業資金融資制度】 保証料率1%相当分(保証料率1%未満の場合は、当該保証料) |
申請期間 | 貸付日(融資日)から3か月以内 ※申請期間を過ぎると受付できません。 |
必要書類 | ① 保証決定のお知らせ(写) (金融機関から交付されます) ・紛失された方は、借入金融機関で信用保証書の写しを請求してください。 ② 返済予定表(写) (金融機関での融資手続完了後、金融機関から送付されます) ③ 信用保証委託申込書 ・金融機関で申込をされた方は、申込金融機関に請求してください。 ④ 市税の完納証明書 (未納の市税がある場合は、補助対象となりません) ・補助の要件確認後に市民税課に申請していただくため、事前にご準備いただく必要はありません。 ・完納証明書の申請時に、申請者の身分証明書(運転免許証、パスポート等)、手数料300円が必要です。 ・開業サポート資金をご利用の方で、確定申告時期が未到来のために完納証明書が発行されない場合は、開業届(法人の場合は法人設立届)をご提出ください。 ⑤ 振込先の確認できるもの(通帳等) ⑥ 印鑑(法人の場合:法人の実印) ・社名等のゴム印があれば、お持ちください。 |
お問い合わせ (申請先) |
茨木市 産業環境部 商工労政課 (市役所本館7階) TEL:072-620-1620 (平日8:45~17:15) FAX :072-627-0289 |
参考:茨木市HP
必要書類に関して
※①~③の書類はお返ししておりませんので、必ず写しをご提出ください。
IT導入補助金
IT導入補助金とは経済産業省のミラサポPulsによる、サービス業を中心とした中小企業や小規模事業者が、ITを導入し生産性をあげるための補助金です。
政策による補助金で、以下のようなシステムを導入・利用することで受給できます。※既存の事業で使われることが多いですが、新規事業の場合も相談可能です
- POSレジシステム
- 予約・顧客管理システム
などの導入
◇IT導入補助金の概要
対象者 | 中小企業、小規模事業者等 (飲食、宿泊、小売・卸、運輸、医療、介護、保育等) |
用途・対象物 | ITツール(ソフトウェア、サービス等) ※ハードウェアは対象外例:パッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用等 |
助成額 | 2分の1(上限450万円、下限30万円) |
申請・助成期間 | 毎年期限が決まっています。 詳しくは、ミラサポPulsへご確認ください。 本年度2021年は「IT導入補助金2021」もご覧ください。 |
利用・申請方法 | 補助事業者(中小事業・小規模事業者)において事業計画を策定
1.自分の事業エリアをカバーする、または改善に必要な業務に対応するITツールを取り扱っているIT導入支援事業者を決定 |
問い合わせ先 | サービス等生産性向上IT導入支援事業 コールセンター
◇ナビダイアル 受付時間 9:30〜17:30(土・日・祝日を除く) |
ものづくり補助金
ものづくり補助金もまた、経済産業省のミラサポPulsによる、中小企業や小規模事業者の製品開発などを支援する補助金です。
政策による補助金で、大阪府での導入事例は以下のようなケースがあります。※既存の事業で使われることが多いですが、新規事業の場合も相談可能です
- 株式会社タニモト
車いす対応災害時に役立つ、組立式温水シャワー - 株式会社カシマヤ
環境に優しく、取扱いが容易で安全な消石灰抗菌防虫幹巻テープ - フードテクノエンジニアリング 株式会社
CO2冷媒方式の冷凍システムで、食品業界の未来を支える など
参考:ものづくり事業関連サイトより
◇ものづくり補助金の概要
対象者 | 中小企業・小規模事業者等 |
用途・対象物 | 例)
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助成額 | 原則1,000万円上限
◇補助率 【通常枠】中小:2分の1、小規模:3分の2 ※特別枠では、①交付決定日以前・事前着手承認日以降に発生した経費、②公告宣伝・販売促進費も補助対象となります。 |
申請・助成期間 | 毎年期限が決まっています。 詳しくは、ミラサポPulsへご確認ください。※1)本年度は、下記参照 |
利用・申請方法 | こちら「ものづくり補助金総合サイト」から、ご確認ください |
問い合わせ先 | 注2)下記、必ずご確認ください
公募要領に関するお問合わせ 電子申請システムの操作に関するお問合わせ |
※1)公募スケジュール(4次締切)※通常枠・特別枠共通
申請開始:9月1日(火)17時(公募要領公開中)
申請締切:11月26日(木)17時
※4次締切後も申請受付を継続し、令和2年度内には、令和3年2月(5次)に締切りを設け、それまでに申請のあった分を審査し、採択発表を行います。(制度内容、予定は変更する場合がございます。)
注2)コロナウイルス感染拡大防止のため、コールセンターの体制を大幅に縮小について
現在、コロナウイルス感染拡大防止のため、コールセンターの体制を大幅に縮小させていただいております。ご照会につきましては、原則電子メールにてお願いいたします。ご照会内容によって、宛先が異なりますのでご注意ください。
お問い合わせが集中した場合、ご回答までにお時間をいただく場合がありますので、お問い合わせの前に公募要領、マニュアルをご確認いただきますようお願いいたします。
【補助金・助成金】受給・申請によるメリットとデメリット
起業・開業するときに補助金や助成金を受給・申請するメリットとデメリットも紹介しましょう。
起業・開業|補助金や助成金を受給・申請するメリット
起業・開業時に補助金や助成金を受給申請するメリットは、主に以下の3つ。
- 事業発展に繋がる
- 事業の信頼に繋がる
- 返済不要
より詳しい内容を図にまとめましたので、以下をご覧ください。
事業発展に繋がる |
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事業の信頼に繋がる |
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返済不要 |
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起業・開業|補助金や助成金を受給・申請するデメリット
起業・開業時に補助金や助成金を受給申請するデメリットは、主に以下の4つ。
- 審査のための書類作成に時間を割くこととなる
- 審査がある
- 公募の期限がある
- 原則として後払い
より詳しい内容を図にまとめましたので、以下をご覧ください。
審査のための書類作成に時間を割くこととなる |
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審査がある |
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公募の期限がある |
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原則として後払い |
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補助金・助成金を受給|審査通過のポイント
補助金・助成金の審査を通過するためのポイントとして、以下の3つを意識しましょう。
- 事業の継続
- 事業の収益
- 事業の価値
詳しく解説します。
事業の継続
審査員は、事業を継続の可能性をチェックしています。
事業計画書から、「事業の社会的ニーズがあるかどうか」「長期的に発展するかどうか」といった対策が練られているかどうかを重視します。
事業の収益
審査員は、事業の収益の見込みがあるかどうかもチェックします。
審査する側も、国の税金を活用するわけなので、経済効果をもたらす収益性が期待できるかを重視します。集客のターゲットやニーズが、的を得ている事業計画書作りを意識しましょう。
事業の価値
「事業が価値あるものかどうか」も、大きなポイントとなります。
とくに、これからの時代に見合っているかどうかも重視されます。出資する側の視点にたてば「経済に新たな流れを巻き起こしてくれそうなもの」に期待をかけるのは当然のことともいえます。
補助金・助成金の審査を通過のために|キャリアコンサルティング(キャリア相談)も有効
補助金や助成金の審査通過のために、キャリアコンサルティング(キャリア相談)もオススメです。
申請書の書き方だけでなく、現在の悩みや、個々人の環境、価値観や背景などをサポートしながら「相談者のこれから」も一緒に相談できますよ。
◇キャリアコンサルティング(キャリア相談)でできること
- これまでの「キャリアの棚卸し」や「今後のビジョン」などのブラッシュアップ
- キャリア相談
- 履歴書・職務経歴書の書き方
- 補助金や助成金の申請書類の書き方
- 面接練習 など
補助金や助成金の審査通過のポイントは「事前の申請書作り」や「面接」にかかっているといっても過言ではありません。
「事業にかける熱い思い」から、事業計画書がスムーズに書けたとしても、助成金や補助金の審査を通過するかどうかは別の話です。
キャリアコンサルティング(キャリア相談)を活用すれば、よりよい事業計画書を作成するアドバイスも貰うこともできます。また、今後のキャリアビジョンを改めて考えるキッカケにも繋がりますよ。
茨木市のキャリア相談にまつわる記事は、こちらも合わせてご覧ください。
まとめ:【起業時必見!】茨木市で開業|補助金や助成金を上手く活用しよう!
今回は、茨木市で起業・開業するときの、補助金や助成金を紹介してまいりました。
今回紹介したのは、以下の6つとなります。
- 創業促進事業補助
- 創業支援利子補給制度
- 小売店舗改築(改装)助成事業
- 信用保証料補助制度
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
また、キャリアコンサルティング(キャリア相談)をすることで、その他にも有益な支援やサポート、また「これからのキャリア」について道が開ける可能性も高いので、ぜひ活用してみてくださいね!
おっしまーい^^