雇用問題やコロナ禍などによって、社会背景が大きく変化しています。
キャリアコンサルティングを受け「自分に見合った働き方」や「キャリアアップ」など、働き方の見直しをしたいと考える方が増えました。
この記事では、以下について解説します。
- キャリアコンサルティングについて
- キャリア・コンサルティング受けられる場所と、「無料・有料」の違い
- 無料と有料、どちらが向いているのか?
- 能力開発基本調査|アンケート結果からみるキャリアコンサルティング
キャリアコンサルティングについて
キャリアコンサルティングには、無料と有料があります。そのため「どちらが有益なのだろう」と考える方は、とても多いもの。
費用に関わるノウハウを解説するにあたり、「キャリアコンサルティングとは何か?」について簡単に説明します。
キャリアコンサルティングとは?
キャリアコンサルティングを詳しく知らない方も意外と多く、的を絞って解説します。
キャリアコンサルティングとは、キャリアにまつわる相談やそのプロセスをサポートして貰えるカウンセリングのことをいいます
厚生労働省で定義されているキャリアコンサルティングは、以下となります。
「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。
ここで定義されているキャリアとは、「働き方」のことだけではありあません。生きていく上での、継続的な成長のプロセスそのもののことです。
相談者の抱える悩みや生活環境・価値観などを考慮し「個々人のこれから」を、カウンセラーと共に考えていくことをキャリアコンサルティングと呼びます。
以下をご覧ください!
◇キャリアコンサルティングでできること
- 働き方にまつわる相談全般
- 面接指導
- 履歴書・職務経歴書の書き方指導
- ジョブカードなどを用いた自己の見つめ直し(※1) など
(※1)ジョブカードなどを用いた自己の見つめ直し
厚生労働省が無料で提供しているジョブカードなどを活用し、キャリアに悩む方々への仕事理解を深めてくれます。
相談者に適した働き方を探したり、それに応じた資格取得やプロセスへの導きをしたりをサポートします。相談者の思い描くキャリアに導けるようカウンセラーが尽力してくれます。
ジョブカードについては、以下記事でも詳しく解説しています。
https://mirai-kitte.co.jp/archives/12137.html
キャリアコンサルティングはどこで受けることができるの?場所と「無料・有料」について
キャリアコンサルティングを受けることができる場所は、以下図をご覧ください。「無料・有料」についても兼ね合わせて解説しています
キャリアコンサルティング|場所と「無料・有料」について
機関の場所 | 有料・無料 |
【公的機関】 ・ハローワーク ・大学や大学院 ・専門学校 ・高等学校 ・ジョブカフェ など |
無料 |
【自治体】 ・NPO法人 ・地域お仕事センター ・女性キャリアセンター など |
無料 |
【企業】 ・人材派遣会社 ・一般企業 ・転職サービスなどの登録や面談 など |
有料/無料 |
独立したキャリアカウンセラーへの個別申し込み | 有料 |
キャリアコンサルティングは仕事の相談と共に、職業紹介・仲介をしてくれるの?
相談はできますが、就職先の紹介や仲介はしていません。
キャリアコンサルティングは相談や指導・情報提供がメインとなり、残念ながら企業紹介・仲介はしていません。また、カウンセラーが求人案件とダイレクトな繋がりを持つことはありません。※相談者と企業の仲介役を務めることもありません
これまでのところで、キャリアコンサルティングについて理解していただけたのではないでしょうか?キャリアコンサルティングについては、以下記事でも詳しく解説しています。
https://mirai-kitte.co.jp/archives/10953.html
キャリアコンサルティング|無料と有料のどっちが向いているの?
「キャリアコンサルティングの無料と有料のどっちが向いているのか」について解説します。
気を付けて欲しいのは「無料だから、きっと質が悪い」「有料だから、サービスプランが充実していて当然」などといった、自己判断でカウンセリングを選ばないことです。
「無料と有料の違いはなにか」「どちらを選んだ方が、自分の求めるサポートがあるのか」について、理解することがポイントとなります。キャリアコンサルティング費用による認識のミスマッチを避けるため、それぞれの特徴を解説します。
キャリアコンサルティング|あなたが相談したい内容は?
ひとつ目のポイントは、「キャリアコンサルティングにて、あなたが相談したい内容はなにか」ということです。
「自分の抱える悩み」は、どこへ行けば解決されそうなのかを、以下図を参考に検討してみましょう。
◇キャリアコンサルティング|相談内容と相談先
相談内容 | 相談機関 |
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※全て無料 |
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※全て無料 |
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※無料または有料 |
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※無料または有料 |
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独立したキャリアカウンセラーへの個別申し込み(※1)
※有料 |
(※1)独立したキャリアカウンセラーへの個別申し込みについて
多くの公的機関が無料であるなか、独立したキャリアカウンセラーの多くは有料となります。
ただ、以下のような悩みを抱える方々にとっての「これからのライフワークバランスの改善」に向けて真摯に向き合って貰えることができます。
- これからのキャリアの構築方法が分からない
- 働き続けたいけれど、今のままでいいのか不安
- 自分の強みが分からず転職を繰り返してしまう
- 目標と夢はあるけれど、スキルアップの方法が分からない など
国家資格を保有したキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングは、厚生労働省も国を揚げて推奨しています。
相談後のミスマッチを防ぐには…
料金でキャリアコンサルティングを受ける場所を決めるのではなく、相談内容からキャリアコンサルティングを受ける場所を決るといいですね!
キャリアコンサルティング|あなたは相談によって何を得たいですか?
ふたつ目は、「キャリアコンサルティングの相談によって何を得たいか」も費用の有無を決めるポイントとなります。
キャリアコンサルティングによって、自分の求めるものを得るために「金を払えるかどうか」を、費用を払う判断材料とされてください。
◇キャリアコンサルティング|相談によって得れるもの
キャリア コンサルティング |
得れるもの |
無料 |
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有料 |
|
◇キャリアコンサルティング|料金相場について
料金設定については、カウンセラーによって大きく変わるために一概にはいえません。多くみられる例をいくつか紹介するので、参考になさってください。
- 1回:数千円~1万円前後での個別設定
- セットプラン:数万~数十万円にて、時間をかけた自立までのサポート
カウンセリングにお金をかけるという文化は日本では浸透していませんが、諸外国では当然のこととされている国も多いもの。キャリアに限定しない、さまざまなことでプロのカウンセリングを受ける風習があります。
諸外国では、メンタルケアやライフプランを重視する風習が根付いているますよ。
人生とは切っても切り離せない「キャリア」に、お金を払ってカウンセリングを受け、暮らしをより豊かにする人も多いですよ
令和2年度「能力開発基本調査」|キャリアコンサルティングの効果と期待
令和2年度の「能力開発基本調査」の結果が公表されました。世間のキャリアコンサルティングへの意識を知ることができますので、参考までに紹介します。
◇令和2年度能力開発基本調査|キャリアコンサルタントに相談したい内容
調査結果より、上位ランクをピックアップしてみましょう。
◇正社員
- 将来のキャリアプラン(55.6%)
- 仕事に対する適性・適職(職業の向き不向き)(41.2%)
- 適切な職業能力開発の方法(資格取得、効果的な自己啓発の方法等)(36.6%)
- 仕事に対するモチベーションの向上(35.1%)
◇正社員以外
- 仕事に対する適性・適職(職業の向き不向き)(37.8%)
- 適切な職業能力開発の方法(資格取得、効果的な自己啓発の方法等)(35.3%)
- 将来のキャリアプラン(32.8%)
- 仕事の内容、賃金、労働時間などの労働条件・労働環境(32.2%)
この図から分かることは、多くの方が「これからの働き方」についてが相談したいと考えていることが分かります。また、正社員と正社員以外で回答に大きく差があり、悩みに大きな違いがあることも読み取れます。
◇令和2年度能力開発基本調査|キャリアコンサルティングを受けた者
この図から分かることは「キャリアコンサルティングを受けた人」は、令和元年度ではとても少数ということ。正社員でも12.3%・正社員以外だとわずか5.2%との結果が出ています。
とはいえ、この2年の間にコロナ禍により働き改革が一気に促進したため、キャリアコンサルティングという言葉を耳にするようになった方も多いのではないでしょうか。
◇令和2年度能力開発基本調査| キャリアコンサルティングが役立ったことの内訳
この図から分かるのは、キャリアコンサルティングを受けた多くの方が「カウンセリングに効果があった」と感じていること。
正社員・正社員以外共に「仕事に対する意識が高まった」と回答した方が過半数越えで、特に以下の解答が高い数値となっています。
- 上司・部下との意思疎通が円滑になった
- 自分の目指すべきキャリアが明確になった
- 現在の会社で働き続ける意欲が湧いた
また、正社員以外の方に「役に立った」と回答されており、非正規雇用の方々の就労意欲の向上に繋がっていることが読み取れます。
まとめ:キャリアコンサルティングを受けたい!無料と有料、どっちが私に向いてるの?!
今回は、キャリアコンサルティングの無料と有料について、主に「どちらが自分に向いているのか」を解説しました。
この2年、コロナ禍によって社会背景も個々人の心情も大きく揺らぎました。「自分らしいキャリアに向けて行動したい」と、考える方が増えています。
人生とは切っても切り離せない「キャリア」について、キャリアコンサルティングを活用してイキイキとする方々が増えれば幸いです。
おっしまーい^^